教育・子育て

実家の親・留守中の子供らを把握 ITで見守り、孤立解消にも期待

 新型コロナウイルス感染拡大を防ぐため在宅の時間が増える傾向が続いているとはいえ、緊急事態宣言は全面解除され、仕事などで外出に迫られる機会も増えている。こうした中、実家の親や留守中の子供たちの様子が気掛かりといった心配事を解決すべく、中小・ベンチャー企業が展開する見守りサービスに注目が集まっている。

 電源オンオフ連絡

 ロボット開発のユカイ工学(東京都新宿区)は、2015年に発売したコミュニケーションロボ「BOCCO(ボッコ)」の後継機種「BOCCO emo(ボッコエモ)」を3月1日に発売した。

 専用アプリをあらかじめスマートフォンに取り込んでおくと、留守中の人からのメッセージが、外出先のスマホに表示される。

 ロボットに音声認識機能を搭載しており、ロボットに話しかけると、その内容が文章化され、スマホに送信される仕組みだ。子供や高齢者はスマホを持っていないケースが多く、連絡手段の確保に役立ちそうだ。

 従来のコミュニケーションロボットとしての機能もそのまま備わっている。人感センサーが内蔵されており、人が近づくとロボットが声を掛けてくれる。

 ノバルス(千代田区)が開発した乾電池型IoT(モノのインターネット)機器「MaBeee(マビー)」は、いわゆる「通信する電池」。テレビやエアコンのリモコンにマビーを入れると、電源を入れたり切ったりする際に、あらかじめ設定していた電子メールのアドレスに送信されるようになっている。子供や高齢者はIT機器に不慣れなことも多いが、「電池の代わりにこの端末をリモコンに入れるだけなので、誰でも簡単に使える」(岡部顕宏社長)という。

 テレビに孫の動画

 チカク(渋谷区)のビデオ通話システム「まごチャンネル」は、新型コロナ禍の新しい見守りサービスとして人気を集めており、2020年の出荷台数が前年比3倍超となった。

 通信回線を搭載した専用の受信ボックスをテレビに接続。スマホで撮影した動画や写真が映し出せる。スマホを持たない高齢の両親と、テレビの大画面で孫の姿などを共有できる。

 ビーサイズ(横浜市港北区)が開発した人工知能(AI)搭載の見守り用小型通信機「GPS BoT(ボット)」は、充電してランドセルに入れるだけ。

 昨年3月に発売した第2世代モデルでは、電池の改良で寿命が4倍となり、1度の充電で1カ月ほど持つようになった。また従来のGPS(衛星利用測位システム)衛星に加え、準天頂衛星「みちびき」からの電波も活用するなど、位置精度も向上させた。子供の登下校時の見守り用として開発したが、八木啓太社長は「高齢者の見守りにも応用できる」と話す。

 新型コロナの世界的な流行に伴う自粛生活の長期化で、孤独や孤立が深刻な社会問題化している。厚生労働省によると、20年の自殺者数は2万1077人(暫定値)で、11年ぶりに増加に転じた。中でも孤独感を理由にした自殺人が434人で、このうちの過半数の237人が60歳以上だったという。

 政府は2月、「孤独・孤立対策担当相」を新設し、内閣官房に対策担当室を設置。この問題への取り組みを急いでいる。中小・ベンチャー企業が次々と投入した見守りサービスは、孤独や孤立という社会課題の解決に大きな役割を果たしそうだ。(松村信仁)

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