趣味・レジャー

「会いに行けるアイドル」たち コロナ禍も活動多角化で生き残り (2/2ページ)

■音楽中心の活動に

 「ライブ中心で動いていたのが、作品中心の活動になった」と話すのは、平成26年にデビューした宇佐蔵(うさくら)べにさん(22)。「1年前までは毎日、レッスンかイベントがあったのに突然ゼロになって。『作品を作るしかない!』と」。毎月のように曲を作り、CDをオンラインショップで販売し、音源を音楽定額配信サービス(サブスク)に提供している。また、自身がデザインした衣服やグッズを通販展開。「音楽やデザインができるのが強み。違う自分にアップデートするためのチャンスだと考えている」と話す。

 「むしろ『歌を聞かせる』ことが評価されるようになってよかった」と話すのは、27年にデビューした鈴木花純(かすみ)さん(26)。自身のライブではコロナ禍以前から、着席で声出し禁止だったという。歌唱力で勝負しており、場を盛り上げることを重要視する従来のライブアイドルの中では“異端”のスタイルを貫いてきた。コロナ禍でチケット代を値上げした分、チェロなど楽器の生演奏とともに歌うなど、接触ではなく「ステージパフォーマンスを工夫し、ファンに報いたい」とする。

■アイドル文化は不滅

 2人ともライブでは配信も行い、人数制限の壁を乗り越えようとしている。

 業界に詳しい上武大の田中秀臣(ひでとみ)教授(経済学)は「業界のビジネスモデルを変えるような革命的な流れはないが、アイドルそれぞれが知恵をしぼって活動を続けている」と俯瞰(ふかん)する。家にいながら仮想空間でライブ参加できるサービス「SHOWROOM(ショールーム)」や、画面上でアイドルと1対1の仮想特典会ができるアプリ「チェキチャ!」など、オンライン対応も充実してきた。若いアイドルたちはその利用も器用にこなす。「変化を受け入れながら、ライブアイドル文化は生き残るだろう」と話した。

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