教育・子育て

オンライン授業導入に差、「学習の格差が広がるのでは」と懸念

 緊急事態宣言の発令に合わせ、大阪市立小中学校で4月26日から始まったICT(情報通信技術)を活用したオンライン学習。大阪府は府内の市町村に対面授業の継続を要請しているが、感染拡大状況が深刻な同市が独自で実施に踏み切った格好だ。ただ、ICT導入が進む学校で早速オンライン授業が始まった一方、いつ始まるかも不明な学校もあるといい、「学習の格差が広がるのでは」と懸念する声も聞かれた。

 「失敗してもいい」

 「点Gに対応する点はどこにあるでしょう」。大阪市立本田(ほんでん)小学校(同市西区)で4月26日に行われた6年の算数のオンライン授業。北野克弥教諭(29)が自前で作成した教材を画面に示しながら、「点対称の図形」を説明したのに対し、児童は質問にチャット機能で回答した。

 グループ別に、マイク機能を使って話し合いながらの作業も。北野教諭は各児童に「困ったことはない?」「初めてだから失敗してもいい」と呼びかけた。

 昨年度からオンライン学習を進めてきた同校は、市内の「先進校」の一つだ。高学年を中心に、各家庭のパソコンなどを活用させて放課後に宿題の指導をしたり、感染への不安などから通学できない児童に授業の動画を配信したりしてきた。宣言発令の前には、各家庭とオンライン接続できるかも確認済みだ。

 授業を終えた6年の小谷知誠(ともなり)くん(12)は「タイムラグもあったけれど、いつもと近い授業を受けられた」としつつ、「(対面の)授業の方が、先生や友達にすぐ質問できるので頭に入る」。依光美優(みゆ)さん(11)は「画面越しに友達と分からない問題を教え合うのは難しかった」と話した。

 「学力差開きそう」

 同市は緊急事態宣言の発令期間中、タブレット端末などを持ち帰ってオンライン学習するのを基本とし、小学校の場合は午前中はオンライン学習を受けた後、登校。教諭から学習状況の確認や指導を受けた後、給食を食べてから下校。自宅でオンライン学習-というスタイルとしている。ただ、回線の問題から、オンラインを使う日時を地域で分けるほか、保護者が仕事などで不在のため、オンラインが難しい児童生徒は登校も可能だ。

 だが、オンライン授業は全校で始められたわけではない。天王寺区の女性会社員(36)の小学4年生の長女(9)は、4月23日に3枚のプリントを持って帰宅。学校からは4月26日の1、2時限目は自宅でプリント学習するよう指示があったが、宿題と間違えて23日に終えてしまい、4月26日朝はリコーダーを吹くなどして過ごした。

 午前10時半に登校し、給食を食べてから午後1時半に帰宅。翌日用のプリントを持たされており、4月27日もオンライン授業はなさそうだ。そもそも、この先のスケジュールが全く見通せていない。他の学校の様子を報道で知り、「プリントの枚数も少なく、20~30分で終わってしまった。学力差がすごく開きそうだ」と焦りも口にした。

 民間学童も対応

 オンライン学習の開始に伴い、仕事で親が不在など居場所のない子供の受け入れに備える動きも広がる。

 大阪市北区の民間学童保育施設「なるには学問堂」は先週、宣言が発令された場合は子供を受け入れると利用者に案内した。

 今回の対応では、登下校の時間が普段と大きく異なるうえ、低学年の子供の場合は保護者が面倒を見る必要もあるため、施設には保護者からの相談が相次いだという。運営会社の上村英樹社長は「『仕事ができなくなる』と困っている人が多い」と明かす。

 同施設では午前から子供を受け入れられるよう、オンライン学習を受けるためのスペースを確保。早速、朝からの預かり依頼も入り始めているといい、「受け入れ態勢を整えていく」としている。

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