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小池知事、緊急事態延長要請「解除の状況にない」 変異株に危機感

 「緩める状況にあるとは考えていない」。東京都の小池百合子知事は6日、新型コロナウイルスの感染封じ込めには休業要請などの対策継続が必要と判断し、緊急事態宣言延長の要請に踏み切った。背景には感染力が強いN501Y変異株の拡大や、重症者数の増加傾向などへの強い警戒感がある。人流抑制の徹底に向け、政府への対応では蔓延防止等重点措置が適用されている首都圏3県の知事と足並みをそろえた。

 「変異株に急速に入れ替わっている。要は緊急事態宣言を解除できる状況にはないということだ」。小池氏は都のモニタリング会議で分析を行った後、記者団に対してこう強調した。

 N501Y変異株の陽性判明は今月5日時点で3千人を超えており、都健康安全研究センターのスクリーニング検査の陽性率は4月19~25日で59・6%、26~今月2日で67・9%と増加している。インドで広がっている変異株もこれまでに計5件確認された。

 入院患者数は2千人を超え、6日時点の重症者数(72人)は2月26日以来の70人台を記録した。モニタリング会議の分析によると、重症者数のうち20~50代が占める割合は昨年末から今年1月にかけての「第3波」で15%前後だったが、最近は約34%に上昇。小池氏は「変異株は若者も重症化する」と警戒を呼び掛ける。

 専門家の1人は、緊急事態宣言発令後、主要繁華街の人出は宣言前に比べ夜間で42%、昼間で36%減少したと報告。ただ、人出抑制がさらに進んだ大阪府で新規感染者数がはっきりとした減少に転じていないとの認識も示し、「人流の抑制をさらに継続していくことが重要」と指摘した。

 1都3県知事によるテレビ会議では、共同で緊急事態宣言と蔓延防止等重点措置の延長要請を行うことを決定。千葉県の熊谷俊人知事が「変異株の比率が高まっており、いつ急拡大に転じてもおかしくない」と述べ、神奈川県の黒岩祐治知事も「とても措置を解除する状況にない」と強調した。

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