株・投資

「ビットコイン大暴落は止まらない」コロナ終息で暴かれる暗号資産の"本当の値段" (1/3ページ)

 ビットコインが4月の史上最高値から一時半値以下に大暴落した。みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔さんは「米国を中心にコロナ終息が視野に入りつつあり、昨年来の株高の終わりがみえてきた。暗号資産の暴落は、コロナ相場の終わりの始まりにすぎない」という--。

 コロナ相場の終焉……失速を始めた金融市場

 金融市場は株、金利、為替(ドル)のいずれも勢いを失っている。理由は様々考えられるが、やはり「金融市場にとって最大のリスクはコロナの終息」だったということなのだろう。

 年初からの動きを見た場合、ピークアウトこそしているものの、やはり米金利は高いままである。米経済の経済正常化が先進国で最速になりそうなのだから、その期待から市中金利が上がるのは自然である。

 しかし、悲惨な実体経済を脇に置いて株価が上がってきたのは、回復期待が高い割に名目金利が低かった(要するに実質金利はさらに低かった)からであり、名目金利が上昇し、高止まりすれば話は変わってくる。

 もちろん、米実質10年金利は未だにマイナス圏だが、恒常的に▲1.0%台にあった昨年からは上昇している。徐々に、しかし確実に現実が期待に追いついているのは明らかである。

 目下、金融市場の関心は供給制約に起因する「悪いインフレ」であり、そのために中央銀行の政策運営も正常化へ振れるのではないかとの疑念が根深い。必然、名目金利は高止まりする。

 筆者は持続的なインフレ高進があるとは思っていないが、当面の市場テーマがそこで貼り付きそうなことは頷ける。

 投げ売りで一時半値になったビットコイン

 名目金利高止まりは株価を筆頭とするリスク資産価格の調整を招きやすい。

 ビットコインが4月につけた史上最高値(6万4801ドル)から一時半値以下に落ち込んだように、5月中旬以降、市場心理を悪化させている暗号資産価格の大暴落はその象徴と言える(※筆者は「通貨」の価値を満たしているとは思わないので暗号通貨ないし仮想通貨とは呼ばない)。

 現実に企業収益から一応の公正価値(フェアバリュー)が算出できる株価と異なり、暗号資産価格の公正価値はその算出過程に確たるコンセンサスがあるわけではない。株式の配当や債券の利子のような定期的なインカムを生まないという点では「商品(コモディティ)」に近い資産クラスと言えるかもしれない。

 実際、ビットコインは「デジタルゴールド」と呼ばれることがある。しかし、金や銀は工業的・宝飾的な利用価値があり、鉄や銅そして石油の利用価値については改めて説明する必要もない。

 それらは公正価値を算出するのが難しくとも、十分な利用価値があると周知されている。「利用価値があれば、それに付随した公正価値も存在するはず」という発想には繋がる。実際、それらの貴金属・非貴金属・資源はそれがなければ実体経済の活動に支障が出るのだから、それに見合う対価は当然存在すると考えられる。

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