書評

『ナイアガラに愛をこめて 大瀧詠一ルーツ探訪の旅 増補改訂版』

 ■名曲を掘り下げる“バイブル”

 周知のように大瀧詠一の音楽の背景には、1950年代、60年代の米英のポップスとロック、日本の歌謡曲・演芸への過剰ともいうべき愛情と知識があった。

 本書は左ページで大瀧に霊感を与えた楽曲、右ページでその影響を受けた大瀧の楽曲を並べて紹介する。

 例えばロネッツの「ビー・マイ・ベイビー」の右には吉田美奈子の「夢で逢えたら」。極論すれば大瀧の楽曲のほとんどはルーツへのオマージュだった。大瀧の名曲をもっと掘り下げて聴いてみたい者にとって、間違いなくバイブルとなる労作だ。(木村ユタカ・著/シンコーミュージック・エンタテイメント、2750円)

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