ヘルスケア

ウイルスで「がん細胞」攻撃する治療薬 近く製造販売承認

 ウイルスを使ってがん細胞を攻撃する日本初の「がんウイルス療法」の新薬の製造販売が近く承認される見通しとなり、開発した東京大の研究チームが10日、記者会見を開いた。悪性の脳腫瘍に対する新薬だが、メカニズム的には多くのがんで同じように効くと考えられており、開発した同大医科学研究所の藤堂具紀(ともき)教授は「(他のがんへの適用拡大が進み)早く多くのがん患者が使えるようになってほしい」と話した。

 治療薬は脳腫瘍の一種である悪性神経膠腫(こうしゅ)の治療薬「テセルパツレブ」。有効性や安全性を7年間確認する条件付きで、5月24日に厚生労働省の専門部会で承認が了承された。同省が6月中に正式承認する見通しで、第一三共が製造販売する。

 藤堂教授らは口唇(こうしん)ヘルペスの原因となるウイルスを、がん細胞だけで増殖できるように遺伝子を改変した。正常細胞は傷つけず、増殖によりがん細胞を次々と死滅させる特徴がある。臨床試験では、1年後の生存率は標準治療と比べて6倍程度高まることが示された。

 厚労省によると、悪性神経膠腫の患者は国内に約3700人と比較的少ない。

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