米国が抱く「畏怖」が、中国の勢いを証明
米国などによるこうした“対中国キャンペーン”が、中国に対する畏怖の念に起因していることは明らかです。近々、国際宇宙ステーション(ISS)が退役・破棄されれば、地球周回軌道上にある宇宙ステーションは、中国宇宙ステーションだけになる可能性があります。
2018年には月の裏側に史上はじめて無人ローバー「嫦娥4号」を着陸させ、2020年12月には、月からのサンプルリターンに成功し、2030年にはロシアとともに月面基地の建設をはじめようとしています。先月5月14日には、火星探査機「天問1号」のランダーと、探査ローバー「祝融」の着陸にも、米国に続いて世界で2番目に成功しています。
欧米諸国が一方的に突きつける「世界のルール」に乗っ取らず、習近平の意向と国益を優先する中国の宇宙開発は、今後もさまざまな波紋を呼ぶに違いありません。
【宇宙開発のボラティリティ】は宇宙プロジェクトのニュース、次期スケジュール、歴史のほか、宇宙の基礎知識を解説するコラムです。50年代にはじまる米ソ宇宙開発競争から近年の成果まで、激動の宇宙プロジェクトのポイントをご紹介します。アーカイブはこちら