ヘルスケア

「原因は食べ過ぎだけではない」 昼食後の猛烈な眠気を防ぐシンプルな方法 (1/2ページ)

 どうすれば昼食後の眠気を防ぐことができるのか。順天堂大学医学部の小林弘幸教授は「昼食前にコップ1杯程度の水を飲むといい。そうすることで、自律神経の急転換を防ぎ、疲れも眠気も防ぐことができる」という--。※本稿は、小林弘幸『自律神経にいいこと超大全』(宝島社)の一部を再編集したものです。

 昼食後に眠くなってしまうのはなぜなのか

 昼食は、自律神経のバランスアップのために大事な中継ぎピッチャー。

 とはいえ、あまり量をとり過ぎると、胃腸に負担がかかって疲れるし、さらに副交感神経が優位になり過ぎて、眠くなってしまう。私の周りでも、昼食後の打ち合わせや会議は、どうも眠くなって困るという声をよく耳にする。

 学会などでも、午後になると、つい、うつらうつら、居眠りをしている人の姿を目にすることが多い。ちなみに、これは自慢というわけではないのだが、私は、午前、午後にかかわらず、どんなに退屈な会議でも居眠りしたことがない。

 知人のドクターから「どうしたら、そんなふうに寝ないでいられるのか?」と聞かれることもある。なぜ、私がどんなに退屈な午後の会議でも、居眠りせずにいられるのか。それは、疲れない、眠くならない昼食のとり方をしているからだ。

 昼食後、なんとなく頭がぼんやりしたり、疲れたり、体がだるくなる、あるいは睡魔に襲われて無性に眠くなってしまういちばんの原因は、副交感神経の働きが急激に活発になることである。

 食事をすると胃腸が活発に動く。そうすると、胃腸に血流が集中して、頭に血が行かなくてぼうっとしてしまう。胃腸が動くことで、急激に副交感神経が優位な状態になる。クルマにたとえれば、アクセルではなく、ブレーキを思いきり踏んだ状態だ。眠くなるのは当たり前。

 心身が急激に弛緩=リラックスの状態になってしまうからである。けれども、昼食をとる際、ほんのちょっと工夫をして副交感神経の働きの上がり具合をコントロールすれば、食後の疲れや眠気を抑えることが可能だ。

 眠くならないための2つのポイント

 疲れない、眠くならない、昼食のとり方のポイントは二つ。

 一つめは、食べる前にコップ1~2杯の水を飲むこと。二つめは、「腹六~八分目」の量を、できるだけゆっくりよく噛みしめながら食べること。それだけで、昼食を疲れない、眠くならない「力めし」に変えることができる。でも、それはなぜなのだろうか。

 食事をすると、誰でも副交感神経が優位になる。けれども、副交感神経が優位になるのは、じつは食後から。食事中は、「咀嚼する」という行為も含めて体が活発に動いているので、体にとっては運動しているときと同じで交感神経が優位になる。

 さらに、「嬉しい」「おいしい」「楽しい」というメンタルも作用して、交感神経がますます優位になっていく。つまり、食事をしている最中は、クルマにたとえれば、アクセル全開の状態。昼食をとっている最中に眠くなったという人は、ほぼいないはずだ。むしろ、食べている最中はアクセル全開で、やる気も全開である。

 けれども、二つのポイントを押さえずに、ただ無意識に食べたいものをがつがつ早食いしてしまうと、食べ終わって胃腸などの消化器官が働き出した途端にさっきの元気はどこへやら、ガクンと疲れて眠くなってしまう。

 それはひと言でいえば、食事をすることで交感神経が一気に優位になる、けれども食後に消化器官が動き出すことで、一転、副交感神経が優位になる、この「急転換」が、昼食後の疲れと眠気の最大の原因なのだ。

 とすれば、自律神経の急転換を防げれば、心身のパフォーマンスを維持したまま、疲れも眠気も防ぐことができる。そのためのポイントが先の二つなのだ。

 「おいしい」という感覚は最初のふた口で満たされる

 「おいしくない」食事ほどの害はないのだが、やはり、炭水化物のとり過ぎは、「力めし」という意味でも好ましくない。

 朝、昼、夜、3食全部、炭水化物をがっつりとってしまうと、私の経験上でも、体重のコントロールが難しくなる。3回の食事のうち、炭水化物をしっかりとるのは1回だけにするなどの工夫がおすすめである。

 そのほうが断然、午後の仕事がはかどる。逆に、短時間でがっつり炭水化物メインの昼食をとると、交感神経の働きが急上昇し、食後、そのリバウンドで副交感神経が一気に優位になってしまう。すると、疲れて眠くなり、午後は使いものにならないという結果を招いてしまう。

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