クルマ三昧

消えゆく軽スポーツカー「S660」 ホンダならではの新世代の後継モデルを (2/2ページ)

木下隆之
木下隆之

 電動の時代にも走る喜びを

 ただし、希望の光も射す。これまで治外法権のように電動化から逃れてきた軽カーも、よりストロングな電動化に進まざるを得ない風潮にある。日本の道路を走る約半分は軽自動車である。単体で見れば軽量コンパクトであり可動距離も少ない。環境への影響度はそれほど高くはない。とはいえ、進化著しいハイブリッドに比較して、燃費や二酸化炭素排出量で見劣る。官民あげてのカーボンニュートラルには、道路の半分を占める軽カーも電動化せねばならないのである─という風潮が、S660の後継モデル計画に結びつかないものかと期待するのだ。

 操縦フィールは爽快である。アップテンポな気持ちでコーナリングに挑むのは快感である。パワーは64psなので、アクセルペダルを床まで踏み込んでも力強く加速するわけではない。だが、限られたパワーを精一杯叩きつけて走らせる喜びは格別なのである。

 カーボンニュートラルに突き進む中で、失われそうなのはドライビングする喜びである。そして走りが楽しいモデルの絶滅が危惧されている。電動化を叫んだホンダだからこそ、新世代のS660を開発してほしいと願う。

木下隆之(きのした・たかゆき)
木下隆之(きのした・たかゆき) レーシングドライバー/自動車評論家
ブランドアドバイザー/ドライビングディレクター
東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

【クルマ三昧】はレーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、最新のクルマ情報からモータースポーツまでクルマと社会を幅広く考察し、紹介する連載コラムです。更新は原則隔週金曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【試乗スケッチ】こちらからどうぞ。YouTubeの「木下隆之channel CARドロイド」も随時更新中です。

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