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大阪の延長要請3つの要因 若年感染者増が「兆候」、急拡大の前例重視

 大阪府は7日、国が緊急事態宣言を発令する前に、新型コロナウイルスの蔓延(まんえん)防止等重点措置の期限延長を国に要請した。感染「第4波」のピークを過ぎたかに見えるが、若年層の新規感染者増を再拡大の兆候ととらえ、今月下旬以降の人出の急増を警戒。インド由来の変異株「デルタ株」が存在する中、高齢者のワクチン接種が完了していないことも懸念材料だ。感染が急拡大した昨夏や第4波の経験を重視し、同じ轍(てつ)を踏まないための一手を打った。

 政府の対策分科会が定める7指標のうち、重点措置の目安とされるステージ3(感染急増)以上にあたるのは、入院率と感染経路不明割合。ほかの5つはステージ2(感染漸増)に相当し「数値上は解除するレベル」(府幹部)だ。

 にもかかわらず延長を要請した要因の一つとして、吉村洋文知事は7日の対策本部会議で「感染再拡大の兆候が明らかに見受けられる」と説明した。

 府は再拡大の兆候をとらえるため、20~30代の新規感染者数をもとに「見張り番指標」を設定。直近7日間の感染者数の1日平均が30人以上となり、4日連続で増えれば警戒を呼びかけることにしている。この指標に基づくと、8日にも警戒水準に達する見通しだ。

 また、府によると、全年代の直近7日間の新規感染者数は第4波ピーク時の1割程度だが、最近の2週間では増加している。

 朝野(ともの)和典・大阪健康安全基盤研究所理事長は7日の対策本部会議に提出した意見書で「すでに増加のトレンドに入っており、増加のスピードを抑えることが現在取るべき対策の目標だ」と警鐘を鳴らした。

 もう1つの懸念は、人出の増加だ。昨年7月下旬から第2波が顕在化し、今年3月以降は第4波が猛威を振るった。長期休暇などで人の接触機会が増えたことが共通しており、府は3月と似た状況になりつつあるとして警戒を強める。

 さらにデルタ株は、3月以降に拡大した英国由来のアルファ株よりも感染力が強いとされる。府は、高齢者のワクチン接種がほぼ完了する今月末までを「集中警戒期間」とした。

 吉村氏が期限延長を要請する考えを固めたのは、大阪市の松井一郎市長と協議した4日。吉村氏は自身の考え方を伝え「賛同してもらえた」と明かす。府幹部も今週に入り、国との協議を本格化させ、延長の可能性を探っていった。

 吉村氏は6日夕に開いた府の幹部会議で延長要請の考えを表明し、幹部から異論は出なかった。同日夜には西村康稔(やすとし)経済再生担当相に同様の考えを伝達。西村氏は「知事の考えは了解した」と応じ、そして国は7日、大阪府など4府県について、8月22日まで期限延長する方針を固めた。

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