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「世界最大」角川のラノベ図書館 蔵書3万5000冊

 角川文化振興財団が運営する文化複合施設「角川武蔵野ミュージアム」(埼玉県所沢市)内の「マンガ・ラノベ図書館」の蔵書が約1万冊増え、約3万5千冊になった。増やしたのはライトノベル(ラノベ)と呼ばれる小説で、財団の角川歴彦理事長はその充実ぶりを「唯一無二」「世界で最大」と表現する。今後も蔵書を増やし、日本発祥のラノベの「資料保存館」としての役割を担う構えだ。

 昨年8月に開館した際、同図書館のラノベはKADOKAWA刊行のものばかりだった。新たに増えた約1万冊の9割は、講談社、集英社など計17社から寄贈されたラノベで占められ、幅広いラインアップが実現した。今後も各社の新刊を順次収蔵していく方針だ。図書館前にはラノベの販売コーナーも新たに設けた。

 ラノベは英語の「軽い」と「小説」を合わせた造語で、その誕生は少なくとも30年以上前にさかのぼるとされる。

 図書館の井上伸一郎ディレクターは「実はラノベには明確な定義がない。一般文芸との境界線上の作品もあるが、イラスト付きの若者向けの小説などがラノベと称される」と解説する。

 ラノベは、アジアや欧米でも日本の作品の翻訳版が出版されるなど、日本発のポップカルチャーとして「クールジャパン」の一翼を担う存在だ。

 その半面、国内ではすでに休刊や廃刊となってしまったレーベルもあり、「集めておかないと、貴重な資料が散逸し二度と入手できないという危機感を覚えた」(井上ディレクター)ことを背景に出版各社に声を掛けたという。個人に対し寄贈を求めることも検討しており、将来的には常時4万冊を配架する計画だ。

 角川理事長は「新型コロナウイルス禍が収まってインバウンド(訪日外国人客)が復活すれば、ラノベ図書館に訪れるのは必至。日本の新しい文化の顔になれる」と強調した。(兼松康)

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