ヘルスケア

都の発熱相談急増、第3波の入り口と同水準 1週間後の感染者数に「直結」

 新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念される中、東京都が設置した「発熱相談センター」の相談件数が急増し、年末年始に感染者が増えた第3波の「入り口」と同水準に達している。同センターは発熱をはじめ、感染が疑われる症状が出た際に対応しており、相談件数は今後の感染者の増減を見通す先行指標とされる。第3波では1日2千人以上の感染者が発生した。直近の相談件数から、都では今後、都内の感染者が第3波と同等か、それ以上に拡大する可能性があるとみて警戒を強めている。

 発熱相談センターは、新型コロナの広がりを受け、都が昨年10月に設置した。発熱などの症状が出た際、かかりつけ医など身近に相談できる場がない場合に電話で対応する。詳しい症状や感染者との接触の有無などを聞き取った上で、感染の可能性が高い場合には専門の医療機関を紹介するなどしている。

 これまでの傾向から、都は発熱相談件数を、感染者の動向をみる上での「先行指標」と位置付けている。ただ、休日には医療機関が休みのため相談件数が極端に跳ね上がるなど、感染者数同様、曜日ごとの変動が大きいため、都は直近7日間の平均で件数をまとめている。

 それによると、これまでで最も多かったのは1月4日の2676件。感染者数を同様に7日間平均で見ると、1月11日に1861件で過去最多になった。「相談して医療機関を受診してPCR検査をする。結果が出て都が把握するまでの日数を考えると、発熱相談件数はおおむね1週間後の感染者数を占うといえる」(都担当者)。

 15日時点の発熱相談件数は1534件。6月下旬からじわじわと増え始め、6月21日に1千件を突破、7月9日に1300件に達した。そこからわずか3日後の7月12日に1400件を上回るなど、増加ペースは加速している。今の水準は昨年12月下旬とほぼ同じで、年末年始の感染第3波に差し掛かった時期にあたる。

 新たな懸念材料もある。相談内容の変化だ。年末年始の時期は、市町村や医療施設などの相談機関が今よりも少なく、集中しやすい上、発熱以外の不安や心配事などの相談も少なくなかった。担当者は「24時間あいているので、新型コロナへの不安なのか、夜になると特に悩み相談のような内容も多かった」と振り返る。

 最近では新型コロナへの理解も進み、ちょっとした相談に応じる医療機関なども増えた。半面、発熱など実際に症状が出ている相談の割合が高まったという。

 都福祉保健局の担当者は「正確な統計はないが、より切羽詰まった相談が増えている印象がある。これからは過去のデータ以上に感染者数に強く反映される可能性も考えられる」と話している。

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