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世界遺産に決まった縄文遺跡群 「見せ方」工夫、価値の伝承へ

 長年の努力が実を結んだ。国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産に「北海道・北東北の縄文遺跡群」の登録が決まった27日、遺跡の周知活動を続けてきたボランティアらから喜びの声が上がった。縄文時代はもっぱら出土品の土偶や土器が注目されてきたが、遺跡自体の価値をどう伝えるかが今後の課題となる。(寺田理恵)

 「登録推進活動を続けてきてよかった」。巨大な集団墓が群集する「キウス周堤墓群(しゅうていぼぐん)」(北海道千歳市)でボランティアガイドを務める小林俊晴さん(70)は感慨深げに話す。知名度の低いキウスでは、ごみのポイ捨てが絶えないだけに喜びもひとしおだ。遺跡整備に向けた再調査の計画もあり、「縄文にピンとこない見学者に当時の暮らしも説明している。地下に眠る物が解明できれば、臨場感のある見せ方ができるのでは」と期待する。

 縄文遺跡の墓や住居などの遺構は、保存のため発掘調査後に埋め戻される。復元建物のない遺跡は地味で、見学者が少ないのが実情だが、登録は遺跡の価値を伝える好機となる。

 21日にリニューアルされた「入江・高砂貝塚」(洞爺湖町)の解説施設は出土した道具の使い方を見せる展示に。28日から公開予定の「垣ノ島遺跡」(函館市)は往時の地形と主要な遺構が見られるなど、遺跡の見せ方が変わってきた。

 「土偶を作りだした社会の一端が分かる遺跡の、全体の価値が認められた」と登録を歓迎するのは、青森県つがる市教育委員会の羽石智治・文化財保護係長(44)だ。教科書でおなじみの遮光器土偶で知られる同市の「亀ケ岡石器時代遺跡」では整備に向けた発掘調査が始まった。羽石さんは「野原に見える状態だった。今後は遺跡を活用していきたい」と登録後を見据える。

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