ヘルスケア

仕事や動画に五輪観戦…画面と向き合うコロナの夏 「疲れ目」に注意

 パソコンやスマートフォンでの動画視聴やオンライン会議、東京五輪のテレビ観戦。コロナ禍で「画面」と向き合う時間が長くなり、疲れ目に悩む人も増えているようだ。日常的なセルフケアを目の専門家はすすめている。(津川綾子)

 東京・渋谷にあるロート製薬(大阪)の直営店「ロートクオリティエイジングサロン」では今、約20分の疲れ目ケアの施術「ロートアイリトリート」(2970円)が人気だという。

 客層は多様だ。店長の伊藤絵理さん(40)によると、在宅勤務でオンライン会議も増え、「目が疲れた」「画面に映った顔で目のくまに気づいた」と来る男性客もいれば、定額制動画配信サービスの海外ドラマやオンラインゲームにはまった中高年の女性客もいる。中にはオンライン授業続きの大学生と、親子連れで来る人もいるという。

 動画視聴の長時間化

 暮らしの変化と疲れ目の進行。その関連は、次の調査でも指摘されている。

 参天製薬の支援で眼科医が組織した「気づいて!涙液トラブル啓発委員会」が今年5月、15~69歳の男女1200人にコロナ下での生活変化を聞いたところ、およそ半数が動画視聴が増えたと回答。休日に視聴が増えた661人の約3割が「2~4時間増」、約1割が「4~6時間増」。また706人が動画視聴による目の疲れを訴えた。

 なぜ画面を見続けると目が疲れてしまうのか。

 同委員会に所属するケイシン五反田アイクリニックの内野美樹院長によると、「画面と向き合う間に目が乾くからだ」という。

 一般的に、眼精疲労の約7割はドライアイ(乾き目)が原因。内野さんによると、画面を見つめる間、まばたきの回数が通常時の3分の1にまで減るという。まばたきには涙腺から出た涙液を目の表面全体に循環させる役割があり、回数減少はそのまま目の乾燥につながる。

 もう一つの要因は目の筋肉疲労。スマートフォンなどの画面を間近で見続けると、目のピントを調節する毛様体筋の収縮が長引く。

 目に蒸しタオルを

 では、目の疲労軽減には、何をすればいいのか。

 内野さんは、すでに効果が実証された対策として、(1)たっぷり睡眠をとる(2)運動をする-と基本的な生活習慣の心がけをまず挙げる。加えて、目の乾燥防止には、点眼液で目を潤すか、蒸しタオルを活用して涙の分泌をよくすることをすすめる。

 なぜ蒸しタオルがよいのか。涙は3層構造となっていて、一番外側を油分が覆い、蒸発を防ぐ。その油分を分泌するのは、上下のまぶたのふちにある「マイボーム腺」で、38度くらいまで温めると働きがよくなる。「蒸しタオルを袋などに入れて冷めにくくし、10分程度、まぶたの上に置くとよいでしょう」

 また毛様体筋の疲労には「20分画面を見たら、20秒間、遠くをぼんやり見て緩める。そうして目を休めましょう」と内野さんは促す。

 また、ロートクオリティエイジングサロンの伊藤さんにも以下のセルフケアを教わった。こまめなケアで目をいたわろう。

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