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「反抗」から熱狂へ アーバンスポーツ活況、進む環境整備

 東京五輪で新たに採用されたスケートボードやスポーツクライミングなどの「アーバン(都市型)スポーツ」が脚光を浴びている。スケートボードでは3人の日本人メダリストが誕生し、クライミングにもメダル候補が控える。街中の競技施設が急増するなど環境整備も進み、反権威のカウンターカルチャー(反抗文化)のイメージが一新される可能性を秘めている。

 スケートボード男子ストリートで、堀米雄斗(22)が金メダルを獲得してから2日後の7月27日午後。東京都足立区の「ムラサキパーク東京」では、堀米の活躍をみた子供から大人までの愛好家がスケートボードで滑走していた。堀米と同じモデルのボードに乗っていた中学2年の長岡怜(れ)生(お)君(13)は「堀米選手の活躍を見てやってみたいと思った」と話す。

 今大会から採用されたスケートボード、スポーツクライミング、BMXフリースタイルなどの競技はいずれも米国にルーツを持ち、都会の限られたスペースでも楽しめるのが特徴だ。

 従来型のスポーツに飽き足らない若者が新たに編み出してきた歴史から、既存の権威に対する反発が根強く、五輪競技に採用された際には国を代表して戦うことに賛否の声も上がった。

 そんな状況に変化をもたらしそうなのが、今大会の日本選手らの活躍だ。

 堀米は華麗なトリック(技)だけでなく、照れながら取材に応じる好青年ぶりが注目され、会員制交流サイト(SNS)のフォロワー数は100万人を突破。女子ストリートで日本代表最年少優勝を飾った西矢椛(もみじ)(13)の無邪気さも国民を引きつけた。

 施設の環境整備も進み、日本スケートパーク協会によると、公共のスケートパークは平成29年6月時点で全国に100カ所だったが、今年5月末には243カ所に倍増。民間施設も175カ所に上る。

 20年に100カ所未満だったクライミングの施設も令和元年には500カ所近くに急増している。競技人口は約60万人に上り、柔道に迫る規模だという。

 ただ、今年3月には、スケボーが禁止されたビルなどに無断侵入した軽犯罪法違反容疑で、19~24歳のスケーター4人が神奈川県警に書類送検されるなど違法行為も絶えない。

 プロスケーターで、スケボー文化に関する著書もある岩沢史文さん(22)は「パークの数は競技人口に対して十分とはいえず、文化として浸透するにはまだ時間がかかる」と話す。

 今大会5位だったBMX男子フリースタイル・パークの中村輪(り)夢(む)(19)は試合後、「BMXは楽しいということを伝えていきたい」とさらなる裾野の広がりに期待を込めた。(永井大輔)

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