福岡県の服部誠太郎知事は26日の記者会見で、新型コロナウイルスの感染急拡大で、自宅療養者らが急増していることを受け、入院が必要となった患者を一時的に受け入れる「酸素投与ステーション」を来週にも県内に開設することを明らかにした。
県内の自宅療養者は、過去最多の8383人(24日現在)に上っている。病床使用率は67・7%で、県は「現在、入院が必要な人が入院できない状況ではない」と説明している。ただ、今後も感染者の急増傾向が続けば、病床使用率はさらに上昇し、入院が必要でもすぐに入院できないケースが懸念される。
ステーションが開設されるのは福岡市内の医療機関で34床を備える。自宅などで症状が悪化して、入院が必要となった患者を一時的に受け入れ、入院できるまでの間、酸素のほか必要に応じて薬を投与する。県は具体的な医療機関名は公表していない。
今後、県内全体で最大200床の確保を目標に、北九州、久留米両市などでも整備を進める方針だ。
一方、服部氏は、新型コロナワクチンの大規模接種会場を県内9カ所に設けると発表した。接種対象は16歳以上、40歳未満の保育士や教職員、介護職員らのほか、妊婦とその同居人。ワクチンはモデルナ社製で、1会場当たり1週間で最大1千回の接種を見込む。
接種期間は9月15日から10月29日で、9月上旬から電話やインターネットで予約を受け付ける。服部氏は「新規感染者も入院者も40歳未満の占める割合が大きい。県として若年層への接種を集中的に進める」と述べた。
県は当初、7月下旬から大規模接種会場を設けて、保育士らへの優先接種を始める予定だったが、国からのワクチン供給が滞り、先延ばしになっていた。