教育・子育て

悩むヤングケアラーを支援 高崎市が来年度から実施、無料でヘルパー派遣

 本来、大人が担う家事や家族の介護を日常的に行いながら通学する18歳未満の「ヤングケアラー」を支援しようと、群馬県の高崎市は、対象世帯に無料でヘルパーを派遣する「ヤングケアラーSOS制度(仮称)」を来年度から始める。同市によると、こうした支援制度の創設は全国初の試みという。

 ヤングケアラーは、祖父母や親の介護、兄弟姉妹の世話、家事などを日常的に担っている若者で、市によると、市内の中学校では各校に1、2人程度いるという。毎日の負担が本人の健康状態や学校生活への悪影響につながっているとの指摘もあり、市では「支援を提供することで、生徒のハンディを軽減し救済する」と制度創設を決めた。

 支援の提供対象は市内に在住する全ての中高生。週2日、1日2時間を上限に2人1組のヘルパーを家庭に派遣し、家事や兄弟の世話などの生活援助のほか、高齢者や障害者の介護なども手助けする。

 支援申し出は各学校で受け付ける。生徒と保護者が希望するケースに加え、生徒の状況を把握している担任が校長に申し出ることも可能。申し出を受けた学校が市教育委員会に申請する。市教委には「ヤングケアラー支援推進委員会」を設置し、認定と支援内容の検討を行う。

 ヘルパーを派遣する支援団体については、プロポーザルによる入札で決定する。必要経費は約1億円を見込んでいる。富岡賢治市長は「高崎市のヤングケアラーは高崎市で守るという決意で取り組む」とコメントしている。(椎名高志)

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