ヘルスケア

新学期開始で感染者急増 英スコットランド、4割が未成年

 【ロンドン=板東和正】英北部スコットランドで8月中旬から新型コロナウイルスの新規感染者数が急増している。ワクチン接種が進んでいない未成年の感染が目立ち、学校の新学期が他地域に先駆けて始まったことが原因の一つとみられる。感染が広がれば、10月末からスコットランドのグラスゴーで開催予定の国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)の感染対策が強化される可能性がある。

 英政府などによると、8月14日時点でスコットランドの1日の新規感染者数は約1400人だったが、9月6日時点で約7千人と半月あまりで約5倍に増加。新規感染者の4割近くを未成年が占める。

 スコットランド自治政府のスタージョン首相は「学校の開始で学生らの交流が活発になったことが(感染者の増加を)引き起こした可能性がある」との見方を示した。英国では、イングランドやウェールズでは9月1日から新学期が始まったが、スコットランドではほぼ2週間早い8月中旬から新学期が始まっていた。

 独自のコロナ対策を実施するスコットランド自治政府は成人の約84%に2回目のワクチン接種を完了させた。しかし、自治政府によると、8月上旬に接種を開始した16~17歳のうち完了したのは9月5日時点で約8・8%に過ぎない。

 自治政府は、公共交通機関・店舗でのマスク着用義務などを7月に撤廃したイングランドとは異なり、義務化を継続。新学期の開始後6週間、生徒や教師にもマスクの着用を義務付けているが、感染者の減少につながっていない。重症化のケースは少なく、1日の死者数は10人以下に抑えられているものの、スタージョン氏は新たな規制の導入を視野に入れている。

 英政府は、COP26で感染リスクが低い国の出席者に対してはワクチン接種の有無に関わらず、隔離の免除を検討していた。ただ、今後の感染状況によっては「感染対策が厳しくなる可能性がある」(英与党・保守党議員)という。

 一方、人口の大半を占めるイングランドでは感染者の急増はみられないが、1日の新規感染者数は3万人前後で高止まりしたままだ。スコットランドと同様に未成年者の接種が遅れる中、学校の再開で感染者数が増加する恐れがある。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus