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靖国奉納の泰緬鉄道SL 23日に40年ぶり汽笛

 先の大戦時に旧日本軍によってタイ(泰)-ビルマ(緬甸、現ミャンマー)間に建設された泰緬(たいめん)鉄道を走り、戦後日本に帰還して靖国神社(東京都千代田区)に奉納された蒸気機関車C56形31号機が23日、約40年ぶりに汽笛を鳴らす。鉄道建設に従事した部隊の一つである旧日本陸軍鉄道第9連隊の創設80年の節目に合わせ、境内にある資料館「遊就館」で遺族らによる黙祷(もくとう)セレモニーの一環として行われる。

 泰緬鉄道は軍事物資輸送の補給路としてタイと当時のビルマを結んだ。日本軍や連合軍捕虜、現地の労働者らが建設に従事し、全長約415キロを約1年3カ月で開通させた。

 昭和54年に関係者の尽力で帰還を果たし、靖国神社に奉納された。今回の汽笛吹鳴(すいめい)は奉納式以来となる。

 遊就館で31号機の清掃奉仕を定期的に行っている鉄道ファンらが提案。汽笛につながる配管が老朽化しているため、臨時のエアタンクを用意してホースで空気を送り込み汽笛を鳴らす。

 23日の式典は午後2時から開始。黙祷に合わせ、汽笛が2回鳴らされる予定。

 31号機の保存会事務局長を務める林紀孝さんは「機関車は貴重な歴史の語り部。汽笛に合わせて先の大戦に思いをはせ、当時の関係者らに祈りをささげてもらいたい」と話している。

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