ヘルスケア

シンガポール、ワクチン8割接種でも新型コロナ感染者急増

 【シンガポール=森浩】シンガポールで新型コロナウイルスの感染者が急増している。ワクチン接種完了率は世界でもトップレベルの83%だが、5日発表の新規感染者数は1日として初めて3千人を超えた。感染力が強い変異株「デルタ株」の拡大を防ぎきれていない状況。一方で重症化率は低いことから、新型コロナとの共存を図る「ウィズコロナ」を進める方針だ。

 シンガポールは厳格な行動規制などで感染拡大を押さえ込んでいたが、8月下旬から感染者が急増し始めた。ワクチン接種完了者を対象にレストランでの1組5人までの食事を認めるなど制限を一部緩和した影響とみられる。

 感染者の多くは、接種完了後でも感染する「ブレークスルー感染」だという。10月5日発表の新規感染者は3486人だが、過去28日間の感染者約4万人のうち、98%以上は無症状か軽症。酸素吸入が必要な患者は1・4%で、集中治療室への入院が必要な患者は0・1%にとどまるという。

 政府は重症化率の低さはワクチン普及の効果とみている。ローレンス・ウォン財務相は2日、高いワクチン接種率を背景に「遅かれ早かれ、多くの人が感染することになるだろうが、数日後には自宅で回復するだろう」と述べた。

 ただ、感染者拡大には警戒感を抱いており、9月27日からは外食を1組2人までに制限するなど、再度の規制強化にも踏み切った。同時にワクチン接種を完了した50歳以上の国民に3度目の接種を行う計画も進めており、規制とワクチンの両輪で対応していく方針だ。

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