クルマ三昧

生まれ変わった新型「レクサスNX」 走りを変えるボディ剛性に注目 (2/2ページ)

木下隆之
木下隆之

 ドイツ車並みのボディ剛性

 レクサスNXが採用したホイールナットも、実は専門的には興味深い。一般的にホイールは、サスペンション側から伸びたボルトにはめ込み、外側からナットをねじ込むことで締結させる。だが新型レクサスNXが採用したのは、サスペンション側にはネジが切られた穴があるだけで、ボルトは伸びていない。ホイールの穴にホイールを当てがい、外からボルトで締め込むスタイルに改められたのだ。

 これが実は剛性に効果がある。一般的なボルトナット方式では、強い力で締めたとしてもホイールとサスペンションとの締結が弱く、ミクロな目で見ればズレが生じる。それをボルト方式で改善されるというのだ。コーナリング中の横剛性が飛躍的に高まるため、ハンドリングが素直になる。狙った通りの走行ラインをトレースしやすくなる。

 これもボンネットのフックと同様、ボディ剛性に定評のあるドイツ車では常識であり、日本車での採用は新型「レクサスIS」の他では珍しい。そう、レクサスは走りのレベルを引き上げるにはボディ剛性の引き上げが欠かせないと気付き、細部にわたって細工を施しているのである。

 オーグジュアリキャッチフック然り、ホイールのボルト然り、日常で目にすることが少ない部分であるにもかかわらず手を加えている。試乗せずして走りのレベルを期待してしまったのはそれが理由なのである。

「ドイツ車のボディは優れているよね」

 これまで常套句とされてきたこの言葉を覆すことができる、初めての日本車なのかもしれない。

木下隆之(きのした・たかゆき)
木下隆之(きのした・たかゆき) レーシングドライバー/自動車評論家
ブランドアドバイザー/ドライビングディレクター
東京都出身。明治学院大学卒業。出版社編集部勤務を経て独立。国内外のトップカテゴリーで優勝多数。スーパー耐久最多勝記録保持。ニュルブルクリンク24時間(ドイツ)日本人最高位、最多出場記録更新中。雑誌/Webで連載コラム多数。CM等のドライビングディレクター、イベントを企画するなどクリエイティブ業務多数。クルマ好きの青春を綴った「ジェイズな奴ら」(ネコ・バプリッシング)、経済書「豊田章男の人間力」(学研パブリッシング)等を上梓。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本自動車ジャーナリスト協会会員。

【クルマ三昧】はレーシングドライバーで自動車評論家の木下隆之さんが、最新のクルマ情報からモータースポーツまでクルマと社会を幅広く考察し、紹介する連載コラムです。更新は原則隔週金曜日。アーカイブはこちら。木下さんがSankeiBizで好評連載中のコラム【試乗スケッチ】こちらからどうぞ。YouTubeの「木下隆之channel CARドロイド」も随時更新中です。

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