言語を使わずに直感的にアプリやゲームなどを開発できるプログラミングアプリ「スプリンギン」を展開するしくみデザイン(福岡市博多区)が24日、教育現場向けに特化した新サービス「スプリンギンクラスルーム」を始めると発表した。文部科学省が令和2年度から小学校、3年度からは中学校でのプログラミング教育をそれぞれ必修化しており、新たなツールとして注目を集めそうだ。
スプリンギンは、ユーザーが描いた絵画や写真などに、回転させたり、音を出したりといった特定の動作を設定していく。一般的に必要なプログラミング言語による記述をすることなく、直感的にさまざまな開発を行うことが可能だ。言語の機能を図式化したパーツを組み合わせて開発する「ビジュアルプログラミング」よりもさらにハードルが低い。
プログラミング教育は、指導者側のスキル不足が問題と指摘される。同社は、子供たちの可能性を広げるためにもプログラミング言語を学ぶ必要がなく、知識がなくても指導することができる環境が必要だ、として既存のアプリをベースに「スプリンギンクラスルーム」の開発を進めた。
この日、しくみデザインの中村俊介社長はオンライン記者会見を開き「1時間半程度の研修があれば十分に教えられるようになる」と説明した。今回、教育現場での展開に向け、テキスト教材や指導案を作成したほか、学校や塾などの関係者間で作品を共有できる仕組みも整備した。
福岡市の高島宗一郎市長も記者会見にメッセージを寄せ「作ることを楽しいと思い、創造性をもった子供がたくさん育つこと期待している。市としても全力で応援する」と述べた。市は4年度から市内の小中学校の端末に導入できるようにし、まずはクラブ活動などで活用する方針だ。