中国の大気汚染地域=2013年1月29日午前10時現在(中国環境保護省による集計)【拡大】
5億人5年超短く
欧米メディアは研究論文を大きく報じた。それによると、論文は、毛沢東政権時代の1950年から30年間行われた冬季の暖房用石炭の無料配布政策が環境に与えた影響を調査したもの。
MITのほか、北京大学、清華大学、イスラエルのヘブライ大学の研究者が参加した。
無料配布は、中国中部を流れる三大大河の一つ「淮河(わいが)」の北側(華北)の家庭や事務所が対象だった。調査では、1981~2001年までの華北と華南の大気の状況を比較。
その結果、石炭を燃焼した際のすすや煙に含まれる大気浮遊粉塵(TSP)の濃度は、華北の方が最大で55%も高かった。
さらに研究チームが1991~2000年の死亡統計を分析したところ、華北の住民の平均寿命が華南より5.5年も短くなっていたことが判明した。