先日、都内で高脂血症の研究会が開かれました。血液中を流れるさまざまな脂質の違いが、心筋梗塞や脳梗塞の発症率に深く関わっているという発表でした。職場の検診のコレステロール値やLDL値といった血液検査データに一喜一憂された方も多いでしょう。まだ保険適用にはなっていませんが、脂質の内容を詳細に調べることで、より厳密に合併症のリスクが予測できるようになったというお話でした。
その研究会で、ある先生に「薬剤で数値を改善させるよりも、運動や食事で、薬剤が必要ない体を取り戻す方が大切ですよね」と質問しました。すると、「確かにその通り。でも、そもそも患者さんがメタボを治すなんて不可能。だから、医師は数値目標を達成するまで積極的に早期から治療薬を処方すべきだよ。できないことを待つよりも、攻めの処方だよ」というご返事でした。
診療時間の少ない中で、合併症の発症リスクを下げるためには、こういった方針にならざるを得ないのだろうとも考えましたが、複雑な思いでした。できるだけ治療薬が要らないカラダを取り戻すという最善を目指して、頑張っていくことにしましょう。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS)