短い助走の後、ふわりと飛び立ったセスナ機。その窓から見えた風景に目を疑った。キャンプ中にひたすら歩き続けた紅葉の海。しかしそれは、果てしなく広がる大海のほんの一部に過ぎなかったのだ。そのまわりには、上空から360度を見渡してもとらえきれないほどの無限の紅葉が広がっていたのである。これぞアラスカだ。これが本当の自然なんだ。あの興奮がよみがえってきた。(写真・文:写真家 松本紀生/SANKEI EXPRESS)
■まつもと・のりお 写真家。1972年生まれ。愛媛県松山市在住。立命館大中退後、アラスカ大卒。独学で撮影技術やキャンプスキルを学ぶ。年の約半分をアラスカで過ごし、夏は北極圏や無人島、冬は氷河の上のかまくらでひとりで生活しながら、撮影活動に専念する。2004年夏、マッキンリー山登頂。著書に「オーロラの向こうに」「アラスカ無人島だより」(いずれも教育出版株式会社)。日本滞在中は全国の学校や病院などでスライドショー「アラスカ・フォトライブ」を開催。matsumotonorio.com