アルバムの楽曲に、迫力や臨場感といった新たな生命力を与え、迫真のライブを続ける「プロの中のプロ」。そんな歌い手の存在を一人でも多くの人に知ってもらいたいとの思いが、取材の一番の動機だった。
インタビューを終えて興味深いと感じたことがある。ポップスの女王の座にありながらデビュー10年目に国内のライブを休止。ライブを復活させたのは、その9年後。30年間の軌跡がほぼ10年単位で節目を迎えていることだ。
50年代、60年代、70年代と3つの時代に区分されることが多いエルビス・プレスリー(1935~77)の歌手人生とどこか重なり合う。「ヘビメタの女王」や「ロックンロールの王様」には、先駆者として避けて通れない宿命のようなものがあるのかもしれない。
「女王」がこれから、どんな道を歩むことになるのか。必見ともいえる来月(11月)からの30周年ツアーはチケットが即日完売のため断念。来年4月の特別ツアーまで、ため息交じりの日々が続くことになりそうだ。(森山昌秀/SANKEI EXPRESS)