貧しさのため、働き盛りの男性のほとんどがインドやネパール国内の都市部に出稼ぎに出てしまい、コミュニティーに残された女性や子供たちが農作業などの重労働を担っているが、生産性は低く、子供たちの多くが栄養不良だ。
ネパールそのものが後発開発途上国だが、都市部と農村部の地域間格差は広がっている。1年間の消費が1万9261ネパールルピー(約1万9100円)に満たない貧困者の割合は、ドティ郡のある極西部は45.61%と、ネパール全体の平均を約20%上回る。極西部で暮らす2人に1人が、満足な生活を送れていないことを意味する。格差は所得面だけでなく、教育や社会サービスへのアクセスの制限、就業機会の制限、交通インフラの不備などでも起きている。
≪「貧しいから恥ずかしい」を変える歩み≫
コミュニティーにある家の軒先で女性たちとおしゃべりをしていた時、ある女性が気恥ずかしそうに言った言葉が忘れられない。「ここは、あなたの国より貧しいから恥ずかしい」。当たり前かも知れないが、彼女が自分たちを「貧しい」、私を「豊か」と認識していることが、心に刺さった。彼女はこれまで、どんな人生を送ってきたのか。何を感じ、考え、毎日の生活を送っているのか。子供たちはどんな人生を歩んで行くのか。想像することしかできない私に、何ができるのだろうか-。