小河内ダムの完成は1957(昭和32)年11月。旧小河内村など945世帯の人たちが故郷を離れ、集落の大部分は水没した。そして奥多摩湖(正式名称は小河内貯水池)が出現。その完成50周年の式典がおこなわれたのは2007年の秋のことだった。ダムは今年56歳になる。人間ではもうすぐ定年だが、「まだまだ元気だ!」とばかりに満々と水をたたえている。湖畔に「奥多摩 水と緑のふれあい館」があって、その周囲にも湖底に沈んだ地区の路傍にあった石仏や供養塔が、いくつも並べられている。(野村成次、写真も/SANKEI EXPRESS)
■のむら・せいじ 1951(昭和26)年生まれ。産経新聞東京、大阪の写真部長、臨海支局長を経て写真報道局。休日はカメラを持って、奥多摩などの多摩川水系を散策している。