これがパーなのが宮里優らしかった。3打リードで迎えた最終ホールのティーショットは左の斜面を転げ落ち、第2打はピンを通り過ぎて深いラフに。「トリプルボギーも覚悟した。グリーンの上で止まってくれたら」と無欲に徹して放った一打が、大歓声を呼び起こした。
2001年日本アマチュア選手権優勝など強豪の東北福祉大で活躍、02年末にプロ転向。すぐ頭角を現したが、最後に崩れる詰めの甘さを克服できなかった。
初めて単独首位で迎えた最終日の前夜は眠れなかった。プレー中、何度も「優作頑張れ」の声援が飛んだ。「これまでは『藍ちゃんのお兄ちゃん』と呼ばれていたけど、今日は名前で呼んでいただいて力になりました」(SANKEI EXPRESS)