「二重運賃」に反発
ただ、カード型IC乗車券に消費税増税分を1円刻みで反映させるのは、Suicaを発行するJR東日本の他には、PASMO(パスモ)の首都圏私鉄などにとどまりそうだ。
首都圏ではJR東日本に加え、パスモを使う東急、東京メトロ、京浜急行なども1円刻みの導入を検討しており、近く国土交通省に運賃改定を申請する見通し。都営地下鉄も1円刻みを盛り込んだ運賃改定条例案を開会中の都議会に提出している。
首都圏はカード利用者が8割に上る。さらに国交省が10月、カードが切符と同額か安くなるよう促す指針を示し、1円刻みの後押しとなった。スイカが使える仙台、新潟エリアも1円刻みとなる。
一方、関西の私鉄5社と名古屋鉄道は、1円刻みの運賃導入を見送る。関西のカード普及率は4割程度。カードと切符の価格が異なる「二重運賃」への反発も根強い。「首都圏と違い二重運賃を利用者に納得させられない」(阪急)という。首都圏を除いた私鉄、市営地下鉄は相次ぎ10円単位で値上げする方針だ。
JR西日本の担当者は「首都圏の1円刻みで、乗客の反応を把握して次の改定時、対応をしっかり検討していく必要がある」と話した。(SANKEI EXPRESS)