ところが、中国は沖ノ鳥島周辺のEEZで海洋調査活動を続け、2010年4月には計10隻の中国海軍艦艇が沖ノ鳥島西方海域で軍事訓練を実施した。また、東京電力福島第1原発事故による放射性物質の影響調査を目的として2011年6月に海洋調査船を沖ノ鳥島周辺に派遣した。この同じ時期に中国海軍艦艇計11隻が沖ノ鳥島南西海域で射撃や洋上給油などの訓練を行った。
空母機動部隊など米軍の接近を阻止する戦略をとる中国は、日本列島から台湾、フィリピン、インドネシアなどを結ぶ第1列島線、さらに伊豆・小笠原諸島からグアムを含むマリアナ諸島などを結ぶ第2列島線を設定し、軍事防衛上のラインにしている。
西太平洋の戦略上の要衝
沖ノ鳥島はその第1列島線と第2列島線の間にあり、沖縄本島から約1100キロ、米領グアムから約1200キロとほぼ中間に位置している。沖縄本島と宮古島の間の海峡を通過した中国海軍艦艇がそのまま進むと沖ノ鳥島周辺海域に出ることになる。2004年11月に中国の漢級原潜がグアムへの偵察行動を展開した際には、沖ノ鳥島近海を通過したことが確認された。中国軍の動向に詳しい元杏林大教授の平松茂雄氏は「沖ノ鳥島は西太平洋における戦略上の要衝だ」と指摘する。