海辺で撮影の打ち合わせをする河瀬直美監督(中央)。作品では、美しい、時に荒々しい姿をみせる自然を切り取った=2013年10月19日、鹿児島県・奄美大島(アスミック・エース提供)。(C)2014“FUTATSUME_NO_MADO”JFP,CDC,ARTE_FC.【拡大】
彼らの生きていく力はすごい弱いと思います。そもそも次の世代はコミュニケーションをとることが苦手とも言えるわけだから、他人が何を考えているのか見通すこともできない。人の本質を見られないんです。相対的に弱くなるに決まっている。
映画の分野だけでみても、日本人の若手クリエイターよりも、韓国や中国のクリエイターの方がガツガツとしていてずっと力強いですよ。国がとても貧しかった南米では、映画を撮れるようになった若者たちがすごい作品を発表するようになりました。彼らに共通しているのは、生きることへの渇望。この渇望が作品を作ることへの欲望につながっているんですよね。
私が映画の分野で自分より下の世代を育てるという観点でいえば、各地の映画祭を通して発見される新しい世界の才能を2年に1度の「なら国際映画祭」にお呼びして紹介し、(受賞特典で)実際に映画を撮ってもらって、私も一緒にプロデューサーとして関わりながらやっていく形かな。今、4本目をやっています。私は下の世代の映画人に対し、引くところは引いて、押すところは押す。あとは、自分の経験の中で、自分が何かを失いながら得てきたものがあるとするならば、素直に自分の経験を話すことかな。