日本大学新聞研究所が中心となって進めている「東日本大震災TV映像アーカイブ計画」の中間報告会=2014年3月7日(日本大学新聞研究所提供)【拡大】
繰り返し発覚する「やらせ」問題。こうしたメディアの行為は、人々の記憶を破壊し歴史を偽造することにつながる。私たちが笑ってすませてはいけないのは、人々がこうした「やらせ」を真性なものとして記憶してしまう恐れがあるからだ。
日本マス・コミュニケーション学会では、そうした誤りが定着しないようシンポジウムなどを開き、震災報道のあり方などの議論をしてきた。テレビ映像については、日本大学新聞学研究所が中心となった「東日本大震災TV映像アーカイヴ計画」(大井眞二代表)が進行している。今月(3月)7日に、その中間報告会が日本大学で開かれ、筆者も出席した。震災以後の東京主要テレビ局の関連番組がすべて保管され、分類・整理が進んでいる。
「特定秘密保護法」をめぐり、秘密指定や公開の問題が大きな議論となった。しかし、そうした専門的な公文書の問題だけでなく、日常的に接しているテレビや新聞、ラジオ、雑誌、映画などから提供される一般的な情報も、国民や視聴者にゆがんだ社会像を植え付ける恐れがあるという点で影響が大きい。
より良い社会を次の世代に引き継ぐためにも、情報を提供するメディアに緊張感を求めたい。(同志社大学社会学部教授 渡辺武達(わたなべ・たけさと)/SANKEI EXPRESS)