九州電力川内原発1、2号機の審査終了の見通しが立ったことで、再稼働への道筋は政府の判断に焦点が移った。産経新聞社の調査では、立地の鹿児島県薩摩川内市を含む周辺9自治体はすでに事故時の避難計画も完成。住民に強い反対もなく、再稼働させやすい環境にある。
規制委は新規制基準への適合を審査するだけで、再稼働の判断は政府となる。川内の優先審査が決まった13日、菅義偉(すが・よしひで)官房長官(65)は「(規制委の)方向性が出たものについては政府として稼働させていく」と改めて再稼働の方針を強調。立地する薩摩川内市の岩切秀雄市長(71)は「大きな山を一つクリアできたものと考えている」とのコメントを発表した。
地元の防災体制の整備が再稼働に必要だが、原発30キロ圏内の9市町は事故時の避難計画を含む防災計画の策定が完了。再稼働の受け入れ態勢は整っている。
政府の責任の明確化も課題だ。2012年の関西電力大飯(おおい)原発(福井県)の再稼働の際は、当時の野田佳彦首相(56)が記者会見で原発の重要性を訴えた。鹿児島県の伊藤祐一郎知事(66)は13日、「国が安全性を保証し、公開の場で住民に説明して理解を得る必要がある」と言及。だが、国では「地元への説明会は必要だが、担当省庁は未定」(原子力規制庁)で、再稼働へ向けた国側の準備も急がれる。