しかも日中韓の対立の根本には、過去の日本の軍事行動に関わる歴史的評価の違いがある。だから、根本的な解決には力の均衡に加えて、関係者が知識や情報を共有する「共有知」という考え方が肝要になる。
舞鶴と石垣
職場の春休みを利用して、この1週間、竹島(韓国では「独島」)周辺を日本側から警備する海上自衛隊の舞鶴基地(京都府舞鶴市)と、尖閣諸島(中国では「釣魚諸島」)がある沖縄県石垣市を訪れ、現地事情を知ることに務めた。
舞鶴は終戦後のシベリア抑留者や中国・朝鮮半島からの引き揚げ者の帰還港として知られるが、この10年間に人口が半分以下になり、商店街はシャッター通りとなっていた。地元に大学がないこともあり、昼間に町を歩く若者もほとんど見かけなかった。必然的に海自関連が地元経済に占める部分が大きくなる。目の前の海には新鋭のイージス艦や大型の攻撃型艦船が停泊していた。