彼らの特徴は、とにかくせわしなく吹きまくる管楽器の音色とパワフルなリズム。“世界最速のブラスバンド”との触れ込みで何度も来日公演を行うほどの人気だ。最新作「悪魔の物語」では、マヌーシュ・スイングと呼ばれるジプシー風のギターを弾くカナダ人、エイドリアン・ラッソと共演。これまでとは違った独特のグルーブを生み出すことに成功している。
どこか懐かしい旋律
もうひとり注目しておきたいのは、セルビア出身のマルチ・ミュージシャンであるボリス・コヴァッチ。1970年代から活動するベテランで、実験的なジャズからジプシー音楽までさまざまなスタイルで表現し続けている。
届いたばかりのアルバム「イースタン・ムーン・ライジング」は、彼が率いるラ・カンパネッラというグループ名義。ボリスのサックスの他、アコーディオン、ドラム、ベース、ギターという5人のアンサンブルで、どこか懐かしく感じさせる哀愁味にあふれたメロディーを奏でていく。退廃的で映像的な感覚は、他の欧米のミュージシャンには出せない味わいがあり、まさに東欧ならではのサウンドといえる。(音楽&旅ライター 栗本斉(ひとし)/SANKEI EXPRESS)