打越氏は、補選に至った経緯から「政治とカネの問題に終止符を打つ」「安倍政権の暴走阻止」と追及し反自民票の取り込みを狙った。推薦した民主など野党4党も「自民党1強態勢」にくさびを打つために共闘態勢をとり、民主党の海江田万里(かいえだ・ばんり)代表(65)や生活の小沢一郎代表(71)が複数回応援に入ったが、及ばなかった。
ただ、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉や原発再稼働の問題などの議論は深まらないまま。有権者の関心は低かったようで、確定投票率は45.99%にとどまり、前回の2012年衆院選の60.55%を大幅に下回った。
≪「集団的自衛権」「TPP交渉」加速へ≫
衆院鹿児島2区補欠選挙で自民党新人候補が勝利を確実にしたことで、安倍晋三政権は経済再生や集団的自衛権の行使容認のほか、先の日米首脳会談で焦点だった環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の詰めの作業を加速化させる構えだ。