「まさにけんかでした。自分の人生なのだから、自由を勝ち取るために必死に戦うことは生きる上での絶対条件だと思います。難問や試練があるからといって、簡単にあきらめてしまったら、決して前に進みません。うまくいかないときだってあるでしょう。それでも『とことんやったんだ』という満足感が自分の中に芽ばえて、自分への評価も高くなり、自信だってつくんです」
スタントなしで山道60キロ滑走
そんなエローの言葉を裏付けるかのように、父と練習に励むジュリアンの表情は生き生きとしていて、自信に満ち、時折見せるとびっきりのいい笑顔がまた印象的だ。父と自転車に2人乗りしたジュリアンが山道の急坂を時速60キロのスピードで気持ちよさそうに滑走していく場面を見ていると、こちらも爽快な気分になってくる。「徹底的にリアリティーを追求したのでスタントなしで撮影しました」。さすがにクラッシュして、自転車ごとがけの下へ落ちてしまう次の場面ではスタントを頼ったそうだ。