スケーティングがうまいというのは、一般的に上半身が安定し肩の力が抜け、氷に吸い付くような滑りのことを言います。ひと蹴りでどれだけ氷上を進めるか。スケーティングがうまい選手は、数回蹴るだけで、リンクの端から端まで滑ることができるのです。
崇彦のスケーティングは無駄な力が入っておらず、滑りに変な癖もありません。これは生まれ持った才能であり、そのスケーティング技術をうらやむ選手は少なくありませんでした。世界でも1、2を争うレベルなのです。
悩む私にアドバイスも
私は早大に進学後、崇彦選手と同じ佐藤信夫先生の指導を受けるようになりました。改めてゼロから徹底してスケーティングの基礎をたたき込まれることになったのですが、染みついた癖を修正することにすごく苦労しました。
大学1年のときは、実家がある愛知県から横浜のリンクまで通っていました。当時はまだ高校生だった崇彦も名古屋から通っていたので、よく一緒でした。私が悩んでいることを傍らで見ていた崇彦から、アドバイスをもらったこともありました。