加藤さんの返信によって、事態の深刻さ、韓国当局の乱暴さがより鮮明になった。韓国検察が<大統領本人はおろか、その周辺に「処罰意思の有無」を確認することもできなかった>というのは、論外の話だ。「被害者」とされる人物の処罰意思の有無を別に起訴できるというならば、韓国の名誉毀損(きそん)はむしろ不敬罪に近いものになる。近代国家とは思えない法の運用だ。
こういう問題の処理にあたっては原理原則が重要だ。産経新聞社も加藤さんも、記者として国際基準で認められた規範に従って、通常に業務を行っただけである。悪いことをしたわけでないのだから、加藤さんは公的にはもとより指摘にも謝罪する必要は一切ない。筆者は今後も加藤さんと産経新聞を応援する。(作家、元外務省主任分析官 佐藤優(まさる)/SANKEI EXPRESS)