朝鮮人民軍第572部隊と630部隊の合同軍事訓練で号令する金正恩第1書記(中央)。朝鮮中央通信が2014年11月23日に配信した。北朝鮮は、タブーである金第1書記個人の責任追及に道を開く国連決議に猛反発した=北朝鮮・首都平壌市(朝鮮中央通信提供・ロイター)【拡大】
採択された国連決議は「国家の最高レベル」による人権侵害への政策的関与に言及し、安全保障理事会に対し国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)への付託を検討するよう促す厳しい内容になっている。ICCは人道に対する罪、大量虐殺、戦争犯罪に関わった個人を裁く常設の国際刑事法廷で、国連安保理からの付託を受けると、ICC検察官は捜査を実施して証拠に基づいて起訴でき、加盟国では身柄を拘束される可能性もある。
北朝鮮は金第1書記ら建国以来の歴代トップを「最高尊厳」と呼び、「朝鮮人民が生命以上に重んじる」(北朝鮮メディア)存在であり、国民は幼少時から政治教育などを通じて忠誠心を培われる。ICCへの付託については安保理に委ねられるが、北朝鮮にとって金第1書記の責任が国際社会で論じられること自体、あってはならない禁忌だ。トップ弾劾の可能性に触れた決議は、北朝鮮にとって最大のタブーに踏み込んだといえる。