秋葉原駅クリニック院長、大和田潔さん。診療と執筆で多忙な毎日だが、ランニングと水泳を欠かさない。「体が軽くなれば動くのが楽しくなる。運動をすれば気持ちも前向きになる」=2014年9月2日(塩塚夢撮影)【拡大】
銀杏は、硬い白い殻を割ると美しい翡翠(ひすい)色の実が現れます。銀杏の実は、ローカロリーでビタミンが豊富です。炭水化物やタンパク質も含まれるため、独特の香ばしさとともにうま味を感じます。せきを鎮めたり、血流改善効果があるとも言われています。
昔から、肺病や結核でせきが止まらないときに炒(い)った銀杏や油につけた銀杏を薬のように食べていたとのことです。
銀杏は中毒を起こすことが知られています。「ぎんなん中毒」と呼ばれます。食べられる許容範囲は、大人は20~30粒まで、子供は5粒までと言われています。銀杏に含まれるギンコトキシン(MPN)が脳のビタミンB6の働きを阻害して、けいれんを引き起こしてしまうためです。そのメカニズムを解明したのも、日本の和田啓爾(けいじ)先生(北海道医療大学薬学部)でした。
先日、下関で開催された医学会へ出席した折に、北九州空港で夕日に輝く大粒の銀杏をひと包み購入してきました。旬のため立派なものでした。焼き魚のそばにあっても、茶碗蒸しの中に入っていても、塩焼きで置かれているだけでもさまになる銀杏。食べ過ぎにだけは注意することにしましょう。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS)