1月25日、東京・池袋のビル街のスクリーンに映し出された後藤健二さんとみられる映像。「ユーチューブ」に投稿されたもので、湯川遥菜(はるな)さんが殺害されたとみられる写真を持っていた=2015年、東京都豊島区(ロイター)【拡大】
イスラム国が釈放を要求しているのは、2005年11月にヨルダンの首都アンマンで起きた連続ホテル爆破テロに関与したとされるサジダ・リシャウィ死刑囚。米中枢同時テロになぞらえて「ヨルダンの9・11」とも呼ばれるこのテロでは少なくとも死者が60人に達し、欧米諸国との友好関係を重視するヨルダン政府に大きな衝撃を与えた。
それだけに、アブドラ国王にとって釈放の決断は難しく、“人質交換”に米国が反対するのも間違いない。ただ、テロ容疑者らの交換は、身代金支払いと並ぶ「禁じ手」だが、前例がないわけではない。また、ヨルダンは昨年12月、シリア上空での作戦中に空軍機操縦士をイスラム国に人質にとられ、現地メディアでは「捕虜交換」を模索していると報じられた。ヨルダンがリシャウィ死刑囚の刑を執行しないのは、何らかの交渉材料とするためだったとの見方もある。砂漠の王国ヨルダンが、事件の鍵を握っている。(SANKEI EXPRESS)