氷川きよしの座長公演「め組の辰五郎~きよしの大江戸千両纏(まとい)~」。(東京)3月29日まで公演(提供写真)【拡大】
歌手、氷川きよし(37)の座長公演は、1部が人情時代劇「め組の辰五郎~きよしの大江戸千両纏(まとい)~」、2部は歌謡ショー。いずれも昭和時代のテレビ番組を思わせるレトロ感の中、氷川の魅力を最大限、引き出す構成だ。
辰五郎(氷川)は祖母(中村メイコ)と2人暮らし。弟子入り先の指物師とその妻が放火による火事で亡くなり、かわいがっていたその息子が親戚に引き取られていく様子を見て、大事な人たちを守りたいと火消しになる。江戸の火事で大活躍する傍ら、出生の秘密も明らかになる-。
多くのファンは氷川の歌が目当て。その中でいかに芝居を飽きさせないか。脚本・演出の市川正は「誰にでも楽しんでもらえる」舞台を目指した。氷川が「等身大で演じられる」と話す辰五郎は正義感にあふれ、物語は涙あり笑いありと、人情喜劇の王道を行く。
氷川の明治座での座長公演はほぼ2年ぶり3度目。慣れなかった演技も「確実にうまくなってきた」と関係者は太鼓判を押す。中村はじめ勝野洋、太川陽介らベテランが脇を固める。