アフガニスタンの高い妊産婦死亡率の背景にあるもう一つの要因は、この女性が経験したような、慣習にある。伝統的に良いとされていることも、現代の医学では必ずしもそうではない。それを地方の村に住む人々に理解してもらい、女性が安全に出産できるようサポートすることも、助産師の重要な仕事だ。
アフガニスタンに暮らす医療従事者は、必ずしも設備が整った病院で働けるわけではない。地方では設備も情報も限られているが、ワールド・ビジョンが実施する研修で新たな知識や技術を身に付けることができる。
この事業を担当して、女性が妊娠して無事出産し、その子供が健康に育っていくことがいかに奇跡的かということを、私自身の育児を通して実感している。アフガニスタンでは、妊産婦死亡率だけでなく、乳幼児死亡率や子供の栄養不良も深刻だ。現地の子供の写真を見たとき、3歳半の息子と同年齢に見える子が、実際は小学校入学くらいの年齢だと聞いたときには、栄養不良が蔓延(まんえん)していることにショックを受けた。