安倍晋三(しんぞう)首相の米議会演説で紹介され、握手を交わす新藤(しんどう)義孝前総務相(左端)とローレンス・スノーデン氏=2015年4月29日、米国・首都ワシントン(ロイター)【拡大】
スノーデン氏は先の大戦で米海兵隊大尉として中隊を率い、硫黄島(いおうとう)に上陸した。傍聴席のスノーデン氏が立ち上がると、議員団は再びスタンディングオベーションで敬意を表した。90歳を超えるスノーデン氏にぴったり寄り添い、その腕を支えていたのが首相の盟友、新藤(しんどう)義孝前総務相(57)だった。新藤氏の祖父は硫黄島で旧日本軍を率いた栗林忠道(ただみち)大将。70年の時空を超え、かつて敵同士として憎み合った日米の「心の紐帯」を体現するシーンだった。
首相は演説で先の大戦について「悔悟」と表現して犠牲者に哀悼の意をささげ、歴史を直視する姿勢を揺るがせなかった。米国内に広がりつつあった首相に対する「歴史修正主義者」という懸念が払拭されたのは、この際の議員団によるスタンディングオベーションが立証している。
これを苦々しい思いで見ていたのが、歴史認識で首相を批判してきた韓国である。
韓国の圧力
「正しい歴史認識を通じ、周辺国との真の和解と協力を成し遂げる転換点になり得たのに、そうした認識も心からのおわびもなく、非常に遺憾に思う」