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抗生物質を控える重要性 大和田潔 (1/2ページ)

2015.5.11 10:00

秋葉原駅クリニック院長、大和田潔さん。診療と執筆で多忙な毎日だが、ランニングと水泳を欠かさない。「体が軽くなれば動くのが楽しくなる。運動をすれば気持ちも前向きになる」=2014年9月2日(塩塚夢撮影)

秋葉原駅クリニック院長、大和田潔さん。診療と執筆で多忙な毎日だが、ランニングと水泳を欠かさない。「体が軽くなれば動くのが楽しくなる。運動をすれば気持ちも前向きになる」=2014年9月2日(塩塚夢撮影)【拡大】

 【青信号で今週も】

 クリニックに、「抗生物質で早く治したいんです」という患者さんが時折いらっしゃいます。医学的にみて必要がないウイルス性のことも多く、理由をお話ししてやんわりとお断りするようにしています。

 現代社会とは隔絶されたベネズエラのアマゾンの奥地に住んでいるヤノマミ族の体に住んでいる細菌が、抗生物質に抵抗性をもっているという報告がありました(Resistance to antibiotics found in isolated Amazonian tribe:サイエンス、 2015年4月)。肺炎や中耳炎などで、抗生物質を使っていると、薬剤に抵抗性のある細菌が発生してしまうことはよく知られています。耐性菌と呼ばれるものです。

 MRSA(Methicillin-resistant Staphylococcus aureus:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)という耐性菌の名前を聞いた方もいらっしゃるかもしれません。

 青カビから発見されたペニシリンは、抗生物質として一世を風靡(ふうび)すると共に乱用されていきました。メチシリンは、ペニシリンが効かない細菌にも効果があるように工夫されて開発された抗生物質でした。このメチシリンに耐性を持つブドウ球菌がMRSAです。

メチシリンに耐性を持つブドウ球菌「MRSA」

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