岡山学芸館戦の一回裏2死二塁で、先制の2点本塁打を放った鳥羽の小薗晋之介(右)=2015年8月10日、兵庫県西宮市・甲子園球場(共同)【拡大】
第97回全国高校野球選手権大会第5日は10日、甲子園球場で3試合が行われ、秋田商が龍谷(佐賀)との2回戦を制して3回戦に進み、100年前の第1回大会で優勝した京都二中の流れをくむ鳥羽(京都)と高崎健康福祉大高崎(群馬)は2回戦に進出した。
京都大会6試合で1本もなかった本塁打が100年前の初代王者、京都二中の伝統を受け継ぐ鳥羽を勢いづかせた。一回2死二塁、4番小薗が高めに浮いた変化球を強振。青空に高々と舞い上がった白球は浜風に乗り、左翼ポールを巻いた。
公式戦初本塁打が貴重な先制2ランとなった小薗は「京都二中の方もアルプスに来ていた。その人たちの魂、見えない力を感じて打ちました」と夢見心地で振り返った。
主砲の一振りで主導権を握ると、理想に掲げるそつのない野球を展開した。四回の守備では相手のスクイズを外し、打線は全員安打の14本。ヒットエンドランも随所に絡ませ、山田監督は「ああいうのが鳥羽の野球。中盤からうちの良さを出せた」と選手をたたえた。