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「人脈力」私用メールが証明 クリントン氏 公開文書にセレブ続々

2015.11.1 00:00

2011年12月2日、ミャンマーのヤンゴンで民主化運動指導者のアウン・サン・スー・チー氏(右)と会談したヒラリー・クリントン氏。以降2人はメル友になったこともクリントン氏のメール公開で明らかになった(AP)

2011年12月2日、ミャンマーのヤンゴンで民主化運動指導者のアウン・サン・スー・チー氏(右)と会談したヒラリー・クリントン氏。以降2人はメル友になったこともクリントン氏のメール公開で明らかになった(AP)【拡大】

 米大統領選挙で民主党の最有力候補のヒラリー・クリントン前米国務長官(68)が私用のメールアドレスを公務に使っていた問題で、米国務省は10月30日、クリントン氏から提出を受けた約5万5000ページのメールのうち、約7000ページ分を新たにウェブサイトで公開した。これにより、全体の約半数に当たる約2万7000ページ分が公開されたことになるが、本来の情報漏洩の問題とは別に、公開で明らかになった華麗で多彩な人脈に注目が集まっている。俳優から内外の大物政治家まで有名人に関わる多くのメールが公開され、AP通信は「まるでセレブ専用のローロデックス(回転式卓上名刺ホルダー)を見ているかのようだ」と形容した。

 ■アフレック氏意向で命令

 今回公開されたのは、クリントン氏が私用のアドレスで国務省の職員らとやり取りしたメール4432通で、このうち268通に現在、機密に指定されている情報が含まれていたことを国務省は明らかにした。クリントン氏のメールは来年1月まで月に1回公開されることになっており、今後も共和党からの追及が続くことが予想される。

 これまでに公開された分にもセレブたちの実名が数多く含まれていたが、今回は特にビッグネームが目立っている。

 クリントン氏の私用メールのアドレスは、国務省内でもごく一部の職員にしか知らされていなかったが、懇意の芸能関係者には教えていたようで、例えば米俳優、映画監督のベン・アフレック氏(43)は2012年4月、クリントン氏に「(中央アフリカの)コンゴ民主共和国の治安情勢に関する国務省のレポートの草稿を見直して修正してほしい」と要望するメールを送付。するとクリントン氏は数時間後に国務省の担当者に「私はベンの期待に応えたい」とメールで指示し、さらに翌日「まだできないのか。今日中に返答をするのですぐに(書き改めて)仕上げるように」と督促していた。

 また、歌手のレディ・ガガさん(29)からは度々、クリントン氏の仕事ぶりをたたえる「お世辞メール」(AP通信)を受け取っていた。

 ■スー・チー氏に政治指南も

 ミャンマーの民主化運動指導者、アウン・サン・スー・チー氏(70)とは、11年12月に訪問先のヤンゴンで初対面して以降、メル友だったようで、スー・チー氏からは科学技術の支援から政治的困難を乗り越えるテクニックの伝授まで、さまざまなサポート要請を受けていた。また、同じ11年12月、南アフリカ訪問を控えた黒人運動指導者で牧師のジェシー・ジャクソン氏(74)と会談したことも国務省職員とのメールのやり取りで触れられ、クリントン氏は会談後、「(ジャクソン氏を)電話1本でいつでもコンタクトが取れる重要人物リストに入れるように」と指示していた。このことをメール公開で知ったジャクソン氏は「(会談は)癒やしの時だった、希望の時間だった。時は今、ヒラリー・クリントンだ」などとクリントン氏をたたえた。

 ジミー・カーター元米大統領(91)とは、北朝鮮問題でしばしばメールで意見を交わし、トニー・ブレア元英首相(62)ともうまが合ったようで、ブレア氏はメールで「国に忠誠を尽くす政治家」としてクリントン氏を持ち上げている。

 クリントン氏はここにきて、メール問題で落ち込んでいた支持率を回復基調に戻しているが、メール公開も一面では大統領として不可欠な“人脈力”を証明する助けになりそうだ。

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